近年、過労が問題となっており、労働衛生学や労働経済学の分野において、働き方の改革を目指した研究がなされています。例えば、いきいきと働いている状態か否かをワークエンゲージメントと呼び、その計測には質問紙が用いられています。労働経済学における通勤時間や睡眠時間などの統計調査でも同様に質問紙が用いられています。
こうした調査は、ある瞬間の点の調査に過ぎないのですが、これまでこのような手法しか調査手段がなかったとというのが実情です。しかしながら、ウェアラブル機器やスマートフォンの普及により、このような労働者の状態を常時センシングできる可能性が生まれており、アメリカ・ヨーロッパにおいても、分野を横断した研究グループの形成が始まっています。
そのため、日本においても、情報学・労働衛生学・労働経済学という3つの異なる領域を横断した研究を早急に実施すること必要であると考え、それぞれの立場から、別の領域に対する要望などを議論する場として、本ワークショップを企画いたします。
センサとAIによる行動認識、さらに次の行動を促す行動変容に関する研究を推進。その技術を労働衛生や労働経済学の領域に適用したいと模索している。
心理学の立場から,働く人のメンタルヘルスの研究と実践に従事。近年では,ワーク・エンゲイジメントをキーワードに,健康と生産性を両立させるための働き方と休み方を探求している。
働き方のメカニズムや健康・企業業績などへの影響について、労働経済学の立場から研究している。最近は、新しい情報技術が労働市場に与える影響についても、定量・定性的にアプローチしている。
労働経済学の立場から、タイムユーズサーベイなどを用いた長時間労働や仕事と生活との時間配分の研究を進めている。最近では、働き方と健康や生産性との関係に関するテーマを扱っている。
スマートフォンを用いた人間行動認識と、その介護・医療分野への応用に興味を持つ。医療施設や介護施設でスタッフの行動を認識し、業務記録の自動化や介護・医療の近未来予測の実証実験を複数施設で行なっている。
労働者の疲労と睡眠の研究に従事。最近では、疲労アプリの開発や、「勤務間インターバル」や「つながらない権利」が労働者の疲労回復にもたらす影響に興味を持って研究を進めている。
スマートデバイスを用いた健康状態の自動評価に注力。現在、文部科学省が進めるSociety 5.0 実現化研究拠点支援事業の一環として、「ひきこもり」の予兆検知と改善研究に従事。
企業の人事データ等を用いた労働経済学の実証研究に従事。主な研究テーマは、メンタルヘルスと働き方、内部労働市場における昇進や賃金、男女間格差など。
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